微分演算の指数 


<定義−1>(a,b)∈R,(p,q)∈R,(a^p,b^q)∈R のとき,

      (α^p,β^q) を (α,β)^(p,q) と書く。
^p は α の p乗, β^q は β の q乗) 注  意 有理数 a,b を使って実数 (a,b) を作ったのですが、 この実数を a,b にも使えるようになっています。
<定理−1>     1) a が 0 でない実数のとき,a=1 ( 注意:a は 0 を表す実数でも良い )     2) x が 0 でない実数のとき,0=0 ( 注意:x は 0 を表す実数でも良い )     3) a、x が 0 でなく、0 を表す実数とき, a は不定     4) 0 は未定義 0 は整数        5) 0=1    □ は自然数 <証明>1)を示す。  a=(α,β)≠0 とすると、    但し、a は 0 を表す実数を含む。          a=(α,β)            =(α,β)(0,0)           =(α,β)           =(1,1)           =1     2)を示す。      x=(p,q)≠0 とすると、    但し、x は 0 を表す実数を含む。          0=0^(p,q)            =(0,0)^(p,q)           =(0^p,0^q)           =(0,0)           =0
 厳密でなくて、俗な言い方を許してもらうならば、0=1 or 0=0 or 0 は未定義? その答えは、0 が自然数か、0 が整数か、0 を表すが 0 でない実数 か、これによって答えが違ってきます。                     f(x)=a+a+a+a+a+・・・ 注意: 指数は自然数です。このとき f(0)=a
<定理−2>     1) a×a=ax+y     2) a÷a=ax−y <証明>a=(α,β),x=(p,q),y=(r,s) とする。     1)を示す。       a×a         =(α,β)^(p,q)×(α,β)^(r,s)         =(α^p,β^q)×(α^r,β^s)         =(α^p×α^r,β^q×β^s)         ={α^(p+r),β^(q+s)} ∵ α,p,r,β,q,s は有理数である。         =(α,β)^(p+r,q+s)         =(α,β)^{(p,q)+(r,s)}         =ax+y     2)を示す。       a÷a         =(α,β)^(p,q)÷(α,β)^(r,s)         =(α^p,β^q)÷(α^r,β^s)         =(α^p÷α^r,β^q÷β^s)         ={α^(p−r),β^(q−s)} ∵ α,p,r,β,q,s は有理数である。         =(α,β)^(p−r,q−s)         =(α,β)^{(p,q)−(r,s)}         =ax−y <定理−3>     1) a×b=(a×b)     2) a÷b=(a÷b) <証明>a=(α,β),b=(γ,δ),x=(p,q) とする。     1)を示す。       a×b         =(α,β)^(p,q)×(γ,δ)^(p,q)         =(α^p,β^q)×(γ^p,δ^q)         =(α^p×γ^p,β^q×δ^q)         ={(α×γ)^p,(β×δ)^q} ∵ α,γ,p,β,δ,q は有理数である。         =(α×γ)^(p,q)         =(a×b)     2)を示す。       a÷b         =(α,β)^(p,q)÷(γ,δ)^(p,q)         =(α^p,β^q)÷(γ^p,δ^q)         =(α^p÷γ^p,β^q÷δ^q)         ={(α÷γ)^p,(β÷δ)^q} ∵ α,γ,p,β,δ,q は有理数である。         =(α÷γ,β÷δ)^(p,q)         ={α,β)÷(γ,δ)}^(p,q)         =(a÷b) <定理−4>(a)=ax×y <証明>a=(α,β),x=(p,q),y=(r,s) とする。 (a)={(α,β)^(p,q)}^(r,s) =(α^p,β^q)^(r,s) ={(α^p)^r,(β^q)^s} ={α^(p×r),β^(q×s)} ∵ α,p,r,β,q,r は有理数である。 =(α,β)^(p×r,q×s) =(α,β)^{(p,q)×(r,s)} =ax×y <定理−5> 0<x のとき、     1) 0<a<1 ⇒ 0<a<1     2) a=1 ⇒ a=1     3) 1<a ⇒ 1<a     4) 0<a<1 ⇒ 1<a−x     5) a=1 ⇒ a−x=1     6) 1<a ⇒ 0<a−x<1 <証明>a=(α,β),x=(p,q) とする。     1)を示す。       条件より、0<a<1 0<α<1, 0<β<1 0<α^p<1, 0<β^q<1 ∵ a,p,q は有理数である。 0<(α^p,β^q)<1 0<a<1     2)を示す。       条件より、a=1 (α,β)=1 (α^p,β^q)=1 a=1     3)を示す。       条件より、1<a 1<(α,β) 1<α, 1<β 1<α^p, 1<β^q ∵ a,p,q は有理数である。 1<(α^p,β^q) 1<a
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