実数からベクトルのページに有る定義に到達するまでに、我々の先人が歩んだ一段
階を眺めるのは大変に有意義です。但し、ちょっと分かりにくい? これは手探りの
段階にありますから、止むなし、我慢をしましょう。
x
y=∫(1/t)dt, x=f(y)
1
dy/dx=1/x
f'(y)=dx/dy=x=f(y)
f(y)=f'(y)=f''(y)=f'''(y)=・・・
x=1 のとき、y=0 従って
f(0)=f'(0)=f''(0)=f'''(0)=・・・=1
よって、Maclaurin 展開
f(y)=1+y/1!+y2/2!+y3/3!+・・・
を得る。これはyのすべての値に関して収束する。
このようにして指数関数が導かれるが、変数の記号を変えて
f(x)=1+x/1!+x2/2!+x3/3!+・・・
と書く。指数関数の性質はこの冪級数から得られる。先ず Taylor 展開
f(x+y)=f(x)+(y/1!)f'(x)+(y2/2!)f''(x)+・・・
において、すべてのnに関して f(n)(x)=f(x) だから
f(x+y)=f(x)(1+y/1!+y2/2!+・・・)
故に
f(x+y)=f(x)・f(y)
これを繰り返して
f(x1+x2+・・+xn)=f(x1)・f(x2)・・・f(xn)
x1=x2=・・・=xn=1、f(1)=e と置けば、
f(n)=en
これは自然数nを指数とする冪(e・e・・・e)であるが、任意の x 関しても同様の
記号を用いて f(x) を
ex または exp(x)
と書く。このようにして定義される関数を、低eの任意の指数xに関する冪という。然ら
ば(3)から
ex+x'=exex'
もしも c>0 として
g(x)=f(cx)=ecx
と置くならば、(3) から
g(x+x)=g(x)g(x')
今度は
g(1)=ec=a
と書いて、前のように
ax=g(x)
によって冪 ax を定義する
ex の逆関数っを logx とかけば、c=loga であるから
ax=g(x)=f(cx)=exloga
このようにして任意の指数の冪の意味が確定する。
解析概論(高木貞治)より、
何だかよく分からんねぇ・・・、次の定義と見比べてください。
微分方程式 dx/dp=x の解を x=exp(p) と書き、p=log(x) と書く。
ab=exp{b×log(a)} と書く。
これも・・・???
それは大変に困りましたねぇ、いやはや、数学というのは難しい!!
自然数、整数、有理数、実数、複ベクトル、この流れの中に指数を捉えねばなりません。
あの天才オイラーさえも、そこまでは到達していませんからねぇ・・・?
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