<例題>関数 z=f(x、y)の z の値が xy の値だけによって決まるための必要十分条件
は次式であることを示せ。 x(∂z/dx)=y(∂z/dy)
<解答>イ)z=f(x、y)が (xy) だけの関数とする。
z=a+b(xy)+c(xy)2+・・・
∂z/dx=1×b×y+2×c(xy)1×y+・・・ ・・・・・・・(1)
∂z/dy=1×b×x+2×c(xy)1×x+・・・ ・・・・・・・(2)
(1)×x−(2)×y
x(∂z/dx)−y(∂z/dy)=0
x(∂z/dx)=y(∂z/dy)
ロ)x(∂z/dx)=y(∂z/dy) とする。
z に xy で決まらない項が一つでもあるとすると、
z=f(x、y)+k(xmyn)+・・・ 但し、m≠n
∂z/dx=1×b×y+2×c(xy)1×y+・・・
+km(xm−1yn) ・・・・・・・・・(3)
∂z/dy=1×b×x+2×c(xy)1×x+・・・
+kn(xmyn−1) ・・・・・・・・・(4)
x(∂z/dx)=y(∂z/dy) から、
1×b×yx+2×c(xy)1×yx+・・・+xkm(xm−1yn)
=1×b×xy+2×c(xy)1×xy+・・・+ykn(xmyn−1)
x×km(xm−1yn)
=y×kn(xmyn−1)
km(xmyn)
=kn(xmyn)
m(xmyn)
=n(xmyn)
m=n
これは矛盾であるから、z に xy だけで決まらない項が一つもない。
∴ z は xy の関数である。
イ)、ロ)から、
z の値が xy の値だけによって決まるための必要十分条件は
x(∂z/dx)=y(∂z/dy) である。
この証明は「関数とは級数展開式なり」を前提としています。
z=p0+p1,0x+p0,1y+p2,0x2+p1,1xy+p0,2y2+・・・
を関数といい,これを z=f(x,y) とかき,収束する x,y の範囲でのみ使える
ものとする。
関数とは何か? dx、dy、∂z とは何か?
ここを定義してかからないと、ちゃんとした微積分を構築することは決
して出来ません。
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