<定義−3>
1) dF(Z)/dZ=dF(Z)÷dZ (複ベクトルを複ベクトルで微分)
2) dF(Z)/dt=dF(Z)÷dt (ベクトルを実数で微分)
「微分とは dy÷dx なり」このベクトル版です。
<定理−7>d(x、y)/dt=(dx/dt、dy/dt)
<証明> d(x、y)/dt=(dx、dy)÷dt
=(dx/dt,dy/dt)
∴ d(x、y)/dt=(dx/dt、dy/dt)
<定理−8>F(Z)=a0Z0+a1Z1+a2Z2+・・・=(u,v)、Z=(x、y) のとき、
u,v は次式である。
u=a0+a1x+a2(x2−y2)+a3(x3−3xy2)
+a4(x4−6x2y2+y4)+・・
v=a1y+a2(2xy)+a3(3x2y−y3)
+a4(4x3y−4xy3)+・・・
<証明>条件より、
(u,v)=a0Z0+a1Z1+a2Z2+a3Z3
+a4Z4+・・・
=a0(x、y)0+a1(x、y)1+a2(x、y)2+a3(x、y)3
+a4(x、y)4+・・
={a0+a1x+a2(x2−y2)+a3(x3−3xy2)+・・・
,a1y+a2(2xy)+a3(3x2y−y3)+・・・}
上の式より、u=a0+a1x+a2(x2−y2)+a3(x3−3xy2)+・・・
v=a1y+a2(2xy)+a3(3x2y−y3)
+a4(4x3y−4xy3)+・・・
<系−1>∂yu/dx=∂xv/dy、−∂xu/dy=∂yv/dx
<証明>u=a0+a1x+a2(x2−y2)+a3(x3−3xy2)
+a4(x4−6x2y2+y4)+・ から,
∂yu/dx=a1+a2(2x)+a3(3x2−3y2)
+a4(4x3−12xy2)+・・・
∂xu/dy=a2(−2y)+a3(−6xy)
+a4(−12xy2+4y3)+・・・
v=a1y+a2(2xy)+a3(3x2y−y3)
+a4(4x3y−4xy3)+・・・ から、
∂yv/dx=a2(2y)+a3(6xy)+a4(12x2y−4y3)+・・・
∂xv/dy=a1+a2(2x)+a3(3x2−3y2)
+a4(4x3−12xy2)+・・・
上の式から、∂yu/dx=∂xv/dy、−∂xu/dy=∂yv/dx
コーシ−、リーマンの関係式の証明です???
「関数を級数展開式である」と定義をしておけば、コーシ−、リーマンの関係式
ちゃんとが証明が出来ます。つまり、全ての関数が微分可能ですから、ここでは微
分可能か否か、正則関数かどうか,を一切問題にしません。
<定理−9>W=(u,v),Z=(x,y) のとき、
dW÷dZ=∂y・W/dx=−∂x*W/dy
<証明> dZ=d(x,y)=(dx,dy)
dW=d(u,v)=(du,dv)
={(∂yu/dx)dx+(∂xu/dy)dy
,(∂yv/dx)dx+(∂xv/dy)dy}
上の式から、
dW÷dZ
={(∂yu/dx)dx+(∂xu/dy)dy
,(∂yv/dx)dx+(∂xv/dy)dy}÷(dx、dy)
={(∂yu/dx)dx+(∂xu/dy)dy
,(∂yv/dx)dx+(∂xv/dy)dy}
×(dx、−dy)÷(dx2+dy2)
={(∂yu/dx)dx2+(∂xu/dy)dydx
+(∂yv/dx)dxdy+(∂xv/dy)dy2
,−(∂yu/dx)dxdy−(∂xu/dy)dy2
+(∂yv/dx)dx2+(∂xv/dy)dydx}
÷(dx2+dy2)
={(∂yu/dx)dx2+(∂xv/dy)dy2
+(∂xu/dy)dydx+(∂yv/dx)dxdy
,(∂yv/dx)dx2−(∂xu/dy)dy2
+(∂xv/dy)dydx−(∂yu/dx)dxdy}
÷(dx2+dy2)
定理−8 系−1 より、∂yu/dx=∂xv/dy、−∂xu/dy=∂yv/dx から、
dW÷dZ={(∂yu/dx)(dx2+dy2),(∂yv/dx)(dx2+dy2)}
÷(dx2+dy2)
=(∂yu/dx,∂yv/dx)
=∂y・W/dx
=−∂x*W/dy
正面から強行突破、これは大変ですねぇ、分かりますか・・・?
<系−1>W=(u,v),Z=(x,y) のとき、次式が成立する。
dW={(∂yu/dx,∂xu/dy),(∂yv/dx,∂xv/dy)}・dZ
<証明>dW=∂yW+∂xW
=(∂yu,∂yv)+(∂xu,∂xv)
={(∂yu/dx)dx+(∂xu/dy)dy
,(∂yv/dx)dx+(∂xv/dy)dy}
={(∂yu/dx,∂xu/dy),(∂yv/dx,∂xv/dy)}・(dx,dy)
={(∂yu/dx,∂xu/dy),(∂yv/dx,∂xv/dy)}・dZ
<系−2>W=(u,v),Z=(x,y) のとき、
dW÷dZ=∂y・W/dx=−∂x*W/dy
<証明>系−1 から、
dW={(∂yu/dx,∂xu/dy),(∂yv/dx,∂xv/dy)}・dZ
={(∂yu/dx,−∂yv/dx),(∂yv/dx,∂yu/dx)}
・(dx,dy)
={(∂yu/dx)dx−(∂yv/dx)dy
,(∂yu/dx)dy+(∂yv/dx)dx}
=(∂yu/dx,∂yv/dx)×(dx,dy)
=(∂yu/dx,∂yv/dx)×dZ
dW÷dZ=(∂yu/dx,∂yv/dx)=(∂xv/dy、−∂xu/dy)
=∂y・(u,v)/dx=−∂x*(u,v)/dy
=∂y・W/dx=−∂x*W/dy
注 意
{(a,−b),(b,a)}・(x,y)=(ax−by,bx+ay)
=(a,b)×(x,y) を使っています。
大学の関数論では、∂y・W/dx、−∂x*W/dy を使い、dW÷dZ を使いま
せん。何となく気分が悪い・・・。ちゃんとした本道があっても、まぁ、時には、こん
な横道を通っても、ガソリン代の節約になるから、ズルしても構いませんよ・・・・?
こんなことになっていません。
日本には、何と情けないことに、コーシー、リーマンの権威に圧倒され、
文句を言える数学者が誕生しませんでした。
<定理−10>W=a0Z0+a1Z1+a2Z2+・・・のとき、次式が成立する。
dW/dZ=1a1Z0+2a2Z1+・・・
<証明> 省略 常微分と同じです。
<定理−11>Z1=G1(t),Z2=G2(t)、G1(t0)=G2(t0) を W=F(Z) によ
って変換し、W1=F{G1(t)}、W2=F{G2(t)} とする。
t=t0 のとき、arg{dZ1/dZ2}=arg{dW1/dW2} が成立することを
示せ。
<証明>W1=F(Z1)=F{G1(t)} から、
dW1=F'{G1(t)}×G1'(t)dt
dW1/dt=F'{G1(t)}×G1'(t)
t=t0 のとき、dW1/dt=F'{G1(t0)}×G1'(t0)
同様にして、 dW2/dt=F'{G2(t0)}×G2'(t0)
上の式から、
dW1÷dW2=dW1/dt÷dW2/dt
=F'{G1(t0)}×G1'(t0)÷F'{G2(t0)}×G2'(t0)
=G1'(t0)÷G2'(t0) ∵ G1(t0)=G2(t0)
=dZ1÷dZ1
arg{dZ1/dZ2}=arg{dW1/dW2}
これはちょっと怪しい,
この証明では、arg() だけでなく amp( ) も Log( ) も良いことになる。
これで「等角写像」とは言うのは・・・???。
誰か助けて!!!
<定理−12>
1) F(θ)=A0+A1θ1+A2θ2+A3θ3 +・・・ のとき、次式を示せ。
A0=F(0)、 1!・A1=F'(0)、 2!・A2=F''(0), ・・・
2) F(Z)=A0+A1Z1+A2Z2+A3Z3 +・・・ のとき、次式を示せ。
A0=F(◎), 1!・A1=F'(◎), 2!・A2=F''(◎), ・・・
<証明>1)を示す。
条件から、F(θ)=A0+A1θ1+A2θ2+A3θ3 +・・・ ・・・・・・・・・・・・・(1)
(1)に θ=0 を代入、
F(0)=A0+A101+A202+A303 +・・・
=A0
(1)を微分すると、
F'(θ)=1A1θ0+2A2θ1+3A3θ2 +・・・
上の式に θ=0 を代入、
F'(0)=1A1θ0+2A201+3A302 +・・・
=1A1
以下同様にして、
F''(0) =2!・A2
F'''(0)=3!・A3
・・・・・・・・
F(n)(0)=n!・An
2)を示す。
条件から、F(Z)=A0+A1Z1+A2Z2+A3Z3 +・・・ ・・・・・・・・・・(2)
(1)に Z=◎ を代入、
F(◎)=A0+A1◎1+A2◎2+A3◎3 +・・・
=A0
(1)を微分すると、
F'(Z)=1・A1Z0+2・A2Z1+3・A3Z2 +・・・
(2)に Z=◎ を代入、
F'(◎)=1・A1◎0+2・A2◎1+3・A3◎2 +・・・
=1・A1
以下同様にして、
F''(◎) =2!・A2
F'''(◎)=3!・A3
・・・・・・・・
F(n)(◎)=n!・An
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