<例題>半径が 6 の大円の中に、中心が M、N、G の円が下図のように接している。円 M、
N の半径が 4、2 のとき、円 G の半径を求めよ。
<解答>O を反転の中心、反転半径を 12 として、反転変換すると、G が G'へ、N が N'
に移動する。
円 G' の半径 (18−12)/2=3
|OG'|2=152+62=261
定理ー6 の半径の公式 k2r/(g2−r2) から、
円 G の半径=122×3/(261−32)
=144×3/252
=12/7
<例題>半径が d=6 の大円の中に、中心が M、N、G の円が下図のように接している。円
M の半径が a=4、円 N,G の半径 b、c とする。 O を反転の中心、反転半径
を 12 として、反転変換すると、G が G'へ、N が N' へ移動させ、 |HI|=1
となった。このとき、次式が成立すことを示せ。
(1/a+1/b+1/c−1/d)2=2(1/a2+1/b2+1/c2+1/d2)
<解答> 円 G' の半径 (18−12)/2=3
|OG'|2=152+22=229
定理ー6 の半径の公式 k2r/(g2−r2) から、
円 G の半径=c=122×3/(229−32)
=122×3/(220)=108/55
|ON'|2=152+42=241
定理ー6 の半径の公式 k2r/(g2−r2) から、
円 N の半径=b=122×3/(241−32)
=122×3/(232)=108/58
上の式から、
(1/a+1/b+1/c−1/d)2
=(1/4+55/108+58/108−1/6)2
=(1/4−1/6+55/108+58/108)2
=(1/12+113/108)2
=(9/108+113/108)2
=(122/108)2
=(61/54)2・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
2(1/a2+1/b2+1/c2+1/d2)
=2(1/16+(55/108)2+(58/108)2+1/36)
=13/72+2(552+582)/1082
=13/72+12778/11664
=13/72+6389/5832
=1053/5832+6389/5832
=7442/5832
=3721/2916
=(61/54)2・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
(1)、(2) から、
(1/a+1/b+1/c−1/d)2=2(1/a2+1/b2+1/c2+1/d2)
この式を「デカルトの円定理」と言います。和算にもこの式があって、これを使
って a、b、c を求めます。これを使って、デカルトの円定理を証明する? 和
算家の目には本末転倒に見えるかも? 時には、先人が開拓した道の逆を辿るのも
ありです。和算家と同じ道を行くには、カミソリ頭脳が必要で、それを持ち合わせ
ている者は、そう、そう、あちこちにいません。 まぁ、我々、凡人がカミソリを
使うと、問題を切らないで、自分の手を切ります。こんなことは止めた方が良いよ
うです。江戸のカミソリ頭脳を真似ても、我々、凡人は、その域に到達することは
殆ど不可能です。
自分にある能力に応じた解法を? そんなことを言われるまでもなく、これしか
無いでしょう。それが無い時には「自分の能力に応じた道具」を自力で開拓するこ
とで解決すれば良い・・・???
まぁ、言うは易し。これも、また、大変です・・・???
何はともあれ、デカルトの円定理、こんな難しい定理を無しにして、反転変換を
使って a、b、c を求めた方が良さそうです。
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