例 題 


<例題>∠A=90度 である三角形ABC の頂点 A から辺 BC に垂線を下ろし、その足を

    H とするとき、次式が成立することを示せ。(アーキタスの定理)

    1) BH・BC=AB

    2) CH・CB=AC

    3) BH・HC=AH

    4) AB:AC=BH:HC

<解答>1)を示す。

       BH・BC=(BA+AH)・(BA+AC)

                        =BA+BA・AC+AH・BA+AH・AC

                        =BA+AH・BA+AH・AC    ∵ BA⊥AC

                        =BA+AH・(BA+AC)

                        =BA+AH・BC

                        =BA                ∵ AH⊥BC

      ∴  BH・BC=AB


    2)を示す。

       CH・CB=(CA+AH)・(CA+AB)

                        =CA+CA・AB+AH・CA+AH・AB

                        =CA+AH・CA+AH・AB    ∵ CA⊥AB

                        =CA+AH・(CA+AB)

                        =CA+AH・CB

                        =CA                ∵ AH⊥BC

      ∴  CH・CB=CA


    3)を示す。

       BH・HC=(BA+AH)・(HA+AC)

            =BA・HA+BA・AC+AH・HA+AH・AC

            =BA・HA−AH+AH・AC    ∵ BA⊥AC

            =(BH+HA)・HA−AH+AH・(AH+HC)

            =BH・HA+AH−AH+AH+AH・HC

            =AH+BH・HA+AH・HC

            =AH       ∵ BH⊥HA,AH⊥HC

      ∴  BH・HC=AH


    4)を示す。

      1)、2)から、

         AB:AC

             =BH・BC:CH・CB

             =BH・BC:HC・BC

             =BH:HC

      ∴  AB:AC=BH:HC

 数学の歴史に残る定理も、ベクトルの手にかかれば、単なる計算問題でしかあり ません。実は、あの「ピタゴラスの定理」もこのレベルにあり、数行の計算で片付 きます。何故に色々な証明を試みられたのか、ベクトルを手にして見れば、不思議 に見えてきます。                             
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