<例題>長方形ABCD の内部に、点 P をどのような位置にとっても、常に次式成り立つこと
を証明せよ。 |AP|2+|CP|2=|BP|2+|DP|2
<解答>長方形ABCD の中心を O とすると、
d(|AP|2+|CP|2−|BP|2+|DP|2)
=d(APS+CPS−BPS−DPS)
=2{AP・d(AP)}+2{CP・d(CP)}
−2{BP・d(BP)}−2{DP・d(DP)}
=2{AP・d(AO+OP)}+2{CP・d(CO+OP)}
−2{BP・d(BO+OP)}−2{DP・d(DO+OP)}
(1/2)d(|AP|2+|CP|2−|BP|2+|DP|2)
={AP・d(OP)}+{CP・d(OP)}
−{BP・d(OP)}−{DP・d(OP)}
=(AP+CP−BP−DP)・d(OP)
=(AP+CP+PB+PD)・d(OP)
=(AP+PD+CP+PB)・d(OP)
=(AD+CB)・d(OP)
=◎・d(OP)
=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
|AP|2+|CP|2−|BP|2−|DP|2 の P に O を代入、
|AP|2+|CP|2−|BP|2−|DP|2
=|AO|2+|CO|2−|BO|2−|DO|2
=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
(1)、(2) より、 |AP|2+|CP|2−|BP|2−|DP|2=0
∴ |AP|2+|CP|2=|BP|2+|DP|2
この証明に対して、微分を使わない証明を持ち出し、この方が良いと抵抗す
る者がいました。確かに、それは上手い証明でした。そんな上手い証明が出来
れば・・・、勿論、それでも OK で、 2つを併用し、競争する必要がありま
せん。
<解答>条件より、
{|AP|2+|CP|2}−{|BP|2+|DP|2}
={(AP)S+(CP)S}−{(BP)S+(DP)S}
={(AP)S−(BP)S}+{(CP)S−(DP)S}
=(AP−BP)・(AP+BP)+(CP−DP)・(CP+DP)
=(AB)・(AP+BP)+(CD)・(CP+DP)
=(AB)・(AP+BP)−(AB)・(CP+DP)
=(AB)・(AP+BP−CP−DP)
=(AB)・(AP+BP+PC+PD)
=(AB)・(AP+PD+BP+PC)
=(AB)・(AD+BC)
=AB・AD+AB・BC
=0+0 条件より、AB⊥AD、AB⊥BC
=0
∴ |AP|2+|CP|2=|BP|2+|DP|2
確かに、微分を使わない方も、因数分解を使って、相当に上手い。この問題
は和算から拾ってきたものではありません。和算にはこの種問題が皆無なので
補充しました。
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