<例題>点 O を中心とする半径 r の円の中に、点 G を中心とする半径 g の円が内接して
いる。 更に、円 O に内接し、かつ、円 G に外接する半径 p の円 P(中心がP)が
ある。 2点 O、G を通る円 G の直径を AB、円 O の直径を AC とする。この
とき「OG⊥BP ⇒ 2ga−ap−2gp=0」が成立することを示せ。
但し、|BH|=|HC|=a、|DH|=b、|DB|=|DC|=c とする。
次に OG⊥BP のとき、(BP)S を求めよ。また、BC を底辺とする2等辺三角
形BDC(H は BC の中点、 D は円 O の周上にある) の辺 BD と円 P が接す
ることを示せ。 (和算の問題を解き易いように改題、下に元の和算の問題があります)
<解答>条件から、点 P のベクトル方程式は、
(OP)S=(r−p)2=(g+a−p)2・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
(GP)S=(g+p)2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
(1)−(2)
(OP)S−(GP)S=(g+a−p)2−(g+p)2
a2+2ga−2ap−4gp
=(OP)S−(GP)S
=(OP−GP)・(OP+GP)
=(OP+PG)・(OP+GP)
=OG・(OB+BP+GB+BP)
=OG・(OB+GB+2・BP)
=OG・OB+OG・GB+2(OG・BP)
=(−a、0)・(g−a,0)+(−a、0)・(g,0)+2(OG・BP)
=−ag+a2−ag+2(OG・BP)
2(OG・BP)=4ga−2ap−4gp
OG・BP=2ga−ap−2gp
条件より、OG⊥BP であるから、OG・BP=0
上の式より、2ga−ap−2gp=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
条件より、OG⊥BP であるから、
(BP)S=(GP)Sー(GB)S
=(g+p)2ー(g)2
=p2+2gp・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
△ACD∽△DCH より、2r:c=c:a
c2=2ar・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
△BIP∽△DHB より、|PI|:|BP|=|BH|:|HD|=a:c
|PI|=(a/c)|BP|・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
(3)、(4)、(5)、(6) より、
|PI|2=(a2/c2)|BP|2
=(a2/2ar)(p2+2gp)
=p(a/2r)(p+2g)
=p(pa+2ag)/2r
=p(pa+ap+2gp)/2r
=p(2pa+2gp)/2r
=p2(2a+2g)/2r
=p2(2r)/2r
=p2
|PI|=p
∴ 辺 BD と円 P が接する。
<問題>1803年に群馬県に掲げられた算額の問題。大きな緑の円の直径上に底辺を持つ二等
辺三角形が円の内側に接している。赤い円は三角形の1つの頂点を通り、緑の円に図の
ように内接。さらに,この赤い円と三角形に外接し緑の円に内接する青い円がある。青
い円の中心と赤い円と三角形の接点を通る線分が,緑の円の直径と直交することを示せ。
江戸時代にも、現在の落ちこぼれの大学教授のような嫌らしい奴がいたらしく、この
問題は大変に解き難い。これは解答者を苦しめる目的で一細工したただけです。上の問
題をちょいとひねってやれば、つまり「|PI|=p から OG・BP=0 へ」にすれ
ば、誰もそう簡単には解けないだろう・・・? こんな意地悪なことを考える輩を、複
べクトルを使って一蹴りしてやりましょう。
ユークリト幾何学では、命題の逆、裏、対偶は重大問題です。これがないと手詰まり
となることがあります。これは「幾何学として十分に発達を遂げていない」つまり「右
から左へ進むかことは出来るが、左から右へ進むことが出来ない」そんな幾何学である
ことを意味しています。複ベクトル幾何学では、逆、裏、対偶が必要となりません。手
詰まりになることはないからです。まぁ、そんな大それたことを棚上げにして、とりあ
えず,目先のこと考えれば「複ベクトルは落ちさんの救済になる・・・???」と予想
されます。
数学の解答は爽やかでありたい。これによって、落ちこぼれを一人でも少なく。これ
には、数学「体系」は言うに及ばず、問題を作る方にも協力しもらわないことには、ど
うにもなりません。皆さん・・・、誤解しないで下ください。「数学の質を落としなさ
い」と言っている訳ではありません。かつて、文科省の木っ端役人が考えた「ゆとりの
教育」とは全然違います。質はどこまでも高く・・・、奥の深かさは西洋の数学を超え
る程に深く・・・、これによって、科学文明の次に来る文明の創造を我々のアジアに・
・・、その中心が日本に・・・、てな訳に行きませんかねぇ・・・???
ここ数百年全盛をを誇った西洋の数学も、日本に持ってきて、無常のそよ風の前に置
いて見れば・・・??? まぁ、これは人間が創造したものの、更には、人間そのもの
のの、つまり、全てのものの避けられない定めです。
これは方丈記からのパクリで、鴨長明は仏教思想から???
<解答>中心が P,G、O の円の半径を p、g、r とし、|BH|=|HC|=a、|DH|=b
|DB|=|DC|=c とする。
条件から、点 P のベクトル方程式は、
(OP)S=(r−p)2=(g+a−p)2 ・・・・・・・・・・・・・・(1)
(GP)S=(g+p)2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
(1)、(2)から、上の解答と同様にして、
OG・BP=2ga−ap−2gp=m とおく。
△AHD∽△DHA より、2p+a:b=b:a
b2=2pa+a2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
条件より、(PO)S=(PG+GO)S
=(PG)S+2(PG・GO)+(GO)S
2(PG・GO)=(PO)S−(PG)S−(GO)S
=(g+a−p)2−(g+p)2−(a)2
=2ga−2ap−4pg
=4ga−2ap−4pg−2ga
=2(2ga−ap−2pg)−2ga
=2m−2ga
2(PG・GB)=2(m−ga)(g/a) ∵ GO:GB=a:g
条件と上の式より、
(PB)S=(PG+GB)S
=(PG)S+2(PG・GB)+(GB)S
=(p+g)2+2(m−ga)(g/a)+(g)2
=p2+2g2+2pg+2(m−ga)(g/a)
=p2+2pg+2mg/a・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
条件より、BP=BI+IP=x・(a,b)+y・(−b、a) とおくと、
|IP|=p より、|y・(−b、a)|=p
yc=p
y=p/c
BP=x・(a,b)+(p/c)・(−b、a)
上の式より、m=OG・BP
=(−a、0)・{x・(a,b)}+(−a、0)・{(p/c)・(−b、a)}
=−a2x+(abp/c)
x=(abp/c−m)/a2
BP=(abp/c−m)/a2・(a,b)+(p/c)・(−b、a)
(PB)S={(abp/c−m)2/a4}c2+(p2/c2)c2
=(abp−mc)2/a4+p2・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
(3)、(4)、(5) より、
(abp−mc)2/a4+p2
=p2+2pg+2mg/a
(abp−mc)2/a4
=2pg+2mg/a
(abp−mc)2=2pga4+2mga3
0=c2m2−(2abpc+2ga3)m−2pga4+(abp)2
=c2m2−2(abpc+ga3)m−a2p{2ga2−b2p}
=c2m2−2(abpc+ga3)m
−a2p{2ga2−(2qa+a2)p} ∵(3)より、
=c2m2−2(abpc+ga3)m
−a2p[2ga2−2pqa−a2p}
=c2m2−2(abpc+ga3)m−a3p[2ga−ap−2pq}
=c2m2−2(abpc+ga3)m−a3pm
∵ 2ga−ap−2gp=m
=c2m2−2(abpc+ga3+pa3/2)m
=m{c2m−2(abpc+ga3+pa3/2)}
=m{m−2(abpc+ga3+pa3/2)/c2}
=m ∵ m=2ga−ap−2gp
≠2(abpc+ga3+pa3/2)/c2
=2ga−ap−2gp
=OG・BP
∴ OG⊥BP
こんな問題を、江戸のカミソリ頭脳が、ユークリット幾何学を使って解けたの
は驚きです。イエ、イエ、カミソリさえあれば、ユークリット幾何学の方が、寧
ろスンナリと行くのかも知れません。こんな問題が可也あります。だから、ユー
クリット幾何学は捨てられません。「こんな算額は、奉納された神社の神様にも
分かるかどうか知ら・・・???」 イエ、イエ、神様は全知全能でいらっしゃ
います。神を冒涜する者には祟りがありますよ。
ここに和算による解答があります。私には理解出来ませんが、日本で名の知れ
た新聞社のサイトですから、多分、間違いはなかろうと思います。
そうねぇ・・・、新聞、テレビ、あるいは、大学教授に盲目的に追従すのは
いけませんねぇ・・・、反省しています。
当HPには「文科省の木っ端役人、落ちさんの大学教授」こんなことがあちこ
ありますよ。権威に屈っしたHPではありません。
<解答>中心が P,G、O の円の半径を p、g、r とし、|BH|=|HC|=a、|DH|=b
|DB|=|DC|=c とする。
条件より、(PO)S=(PG+GO)S
=(PG)S+2(PG・GO)+(GO)S
2(PG・GO)=(PO)S−(PG)S−(GO)S
=(g+a−p)2−(g+p)2−(a)2
=2ga−2ap−4pg
(PG・GO)=ga−ap−2pg
(PG*GO)2=(|PG||GO|)2−(PG・GO)2
=(pa+ga)2−(ga−ap−2pg)2
={(pa+ga)−(ga−ap−2pg)}
{(pa+ga)+(ga−ap−2pg)}
={(2pa+2pg)}{2ga−2pg}
=4pg(a+g)(a−p)
=4pgr(a−p)
(PG*GO)=−2{pgr(a−p)}1/2
上の式から
BP・GO=(BG+GP)・GO=BG・GO+GP・GO
=ga−ap−2pg+(g,0)・(a,0)
=2ga−ap−2pg=m とおく。
BP*GO=(BG+GP)*GO=BG*GO+GP*GO
=0+GP*GO=−PG*GO
=2{pgr(a−p)}1/2
上の式から
BP*BD=BP*(BH+HD)=BP*BH+BP*HD
=BP*GO+(b/a)(BP*GO×I)
∵ GO×I:HD=a:b
=BP*GO−(b/a)(BP・GO)
=2{pgr(a−p)}1/2−(b/a)m
上の式から、◎=BP+PI+IB
◎*BD=BP*BD+PI*BD+IB*BD
0=BP*BD+PI*BD+0
=2{pgr(a−p)}1/2−(b/a)m−pcin(π/2)a
=2a{pgr(a−p)}1/2−bm−pca
2a{pgr(a−p)}1/2
=bm+pca
4a2{pgr(a−p)}
=b2m2+2bpcam+p2c2a2
0=b2m2+2bpcam+p2c2a2−4a2{pgr(a−p)}
=b2m2+2bpcam+a2p{pc2−4gr(a−p)}
=b2m2+2bpcam
+a2p{p×2ra−4gr(a−p)} ∵ c2=2ar
=b2m2+2bpcam+2a2pr{pa−2g(a−p)}
=b2m2+2bpcam−2a2pr{2ga−ap−2pg}
=b2m2+2bpcam−2a2prm
=m{m−(2a2pr−2bpca)/b2}
=m ∵ m=2ga−ap−2gp≠(2a2pr−2bpca)/b2
=2ga−ap−2pg
=BP・GO
∴ BP⊥GO
補 足
(a、b)*{(c,d)×I}=−(a、b)・(c,d)
その他の公式は下記リンク先にあります。
複べクトルの内積、外積を使うと、上の解答になり、これが完成版です。現在
の文科省の木っ端役人が理解不能ですから、当分は使えません。そのうちに、理
解可能なお役人が登場するでしょう。それまで待つ必要があります。数学の進歩
が文科省の木っ端役人によって頭を押さえつけられるのは不幸です。現在進行形
であるこの不幸を誰か何とか出来ませんか・・・???
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