<例題>下の図のように、外円、大円、中円、小円、等円が接しているとき、外円の半径は小円
の半径の何倍か。
<解答>外円、大円、中円、小円の半径を r,a,b,c、点は図にあるものとすると、
条件より、2r=|PS|=|PQ+QR+RS|
=|PQ|+|QR|+|RS|
=2b+2a+2c
r=a+b+c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
条件より、a=|CA|=2b
a=2b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
3平方の定理より、(AB)S=(BC)S+(CA)S ∵ ∠ACB=π/2
(a+c)2=(a−c)2+(a)2
0=a2−4ac
=a−4c ∵ a≠0
a=4c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
(1)、(2)、(3) より、
r=a+b+c
=4c+a/2+c
=4c+4c/2+c
=4c+2c+c
=7c
∴ r=7c・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
「△ABC で、3平方の定理」が全てです。 中身のある問題を作る能力ない
者が、それでも算額を見に来た人々に、そう簡単に解かれたくない。こんな良か
らぬ魂胆が見え見えな問題です。円をいっぱい書き、あげくの果てに、誤魔化し
の等円を追加し、これが江戸のトップクラス和算家が作った問題ではないでしょ
う。多分、2,3流の和算家、あるいは、江戸時代の民衆が作った問題に間違い
はありません。
西洋の数学には、こんな問題は殆どはありません。多分、無いことは無かった
のでしょうが、精選し、切り捨てられ、数学にならなかったのでしょう。ここが
洋算と和算の差です。民衆の吐く息、吸う息を、完全に切り捨てしまった西洋の
数学は良かったのか、悪かったのか、これは何とも言えませんねぇ・・・? ま
ぁ、西洋の数学が科学文明の扉を開いたのは歴史て的事実です。
それはそうなんだが、その評価が全てではないでしょう。
<例題>下の図のように、3つの大円(半径 a)、小円(半径 c)があるとき、a=4c が成立
することをしめせ。
条件より、(AC)S=(AM+MC)S=(AM)S+2(AM・MC)+(MC)S
=(AM)S+2(0)+(MC)S
=(AM)S+(MC)S
(a+c)2=(a−c)2+(a)2
0=a2−4ac
=a−4c ∵ a≠0
a=4c
この問題に尾を付け、鰭を付け。答えに繋がらない、全く無用な瘤(等円)まで追
加し、これによって、素人の目を暗ませる十分な細工を施して置いて「さぁ・・・
、解きなさい・・・、解けないでしょう・・・」こんな狙いで、初めの問題が作ら
れてあります。「これが和算である」とまでは言い切れないものの、江戸のカミソ
リ頭脳がちょっと良からぬところ(意地悪問題の制作)に使われてありますねぇ。
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