<例題>左図のように長方形があり、その内に斜線を隔てて、甲円1個、乙円2個、丙円1個が
容れてある。乙円半径を 9寸 として、甲,丙円の半径を求めよ。
<解答>甲円の半径を r、点を図にあるものとするとすると、|AF|=|AG|=9
|EF|=|EI|=|BH|=x、|EJ|=|EK|=y、|BJ|=|BL|=z とする。
条件より、|BI|+|IE|=|BJ|+|JE|
2r−9+x=z+y・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
条件より、|AF|+|FE|+|EL|=|BL|
9+x+y=z・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
(1)−(2) 2r−18−y=y
2r−18=2y
r−9=y・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
条件より、(PG)S=(PH+HJ+JG)S
=(PH)S+(HJ)S+(JG)S
+2(PH・HJ)+2(PH・JG)+2(HJ・JG)
=(PH)S+(HJ)S+(JG)S
+2(0)+2(PH・JG)+2(0)
=(PH)S+(HJ)S+(JG)S+2(PH・JG)
(r+9)S=(9)2+(z−x)2+(r)2+2(−9r)
=(9)2+(9+y)2+(r)2+2(−9r)
∵ (2) より、9+y=z−x
=(9)2+{9+(r−9)}2+(r)2+2(−9r)
∵ (3) より、r−9=y
=(9)2+(r)2+(r)2+2(−9r)
r2+18r+92=(9)2+r2+(r)2−18r
36r=r2
36=r ∵ r>0
上の式から、y=36−9=27、|EJ|=y=27
丙円の半径を s、中心点を S、点 S から直線 EJ に垂線を降ろし、その足を T
とする。
△ETS∽△EJG から、|ET|:|TS|=|EJ|:|JG|
|ET|:s=27:36=3:4
|ET|=3s/4
|TJ|=|EJ|−|ET|=27−3s/4
条件より、(SG)S=(ST+TJ+JG)S
=(ST)S+(TJ)S+(JG)S
+2(ST・TJ)+2(ST・JG)+2(TJ・JG)
=(ST)S+(TJ)S+(JG)S
+2(0)+2(ST・JG)+2(0)
=(ST)S+(TJ)S+(JG)S+2(ST・JG)
(s+r)2=(s)2+(27−3s/4)2+(r)2−2(sr)
4sr=(27)2−(27×3s/2)+(3s/4)2
4s×36=(27)2−(27×3s/2)+(3s/4)2
4s×4=(9)2−(9×s/2)+(s/4)2
256s=1296−72s+s2
0=s2−328s+1296
=(s−4)(s−324)
=(s−4) ∵ s<9
s=4
(答)甲円の半径:36寸、 丙円の半径:4寸
参 考
上の式から、y=36−9=27、|EJ|=y=27
丙円の半径を s、中心点を S、点 S から直線 JG に垂線を降ろし、その足を T
とする。
条件から、(EG)S=(EJ)S+(JG)S=(27)2+(36)2=2045
|EG|=45
△STG∽△EJG から、|SG|:|GT|=|EG|:|GJ|
r+s:r−s=45:36=5:4
4r+4s=5r−5s
9s=r
9s=36
s=4
複ベクトルより、解析幾何学やユークリット幾何学、更には、その遥か以前の幾
何学とはとても言えそうにない「比例」の方がスムースである。まぁ・・・、こん
なこともあります。進化した幾何学が常に良いとは限りません。どの幾何学を使う
のが良いかは「問題によりけり」です。
比例の活用範囲は広く「全ての問題は比例で解ける」そうですが、これには剃刀
頭脳が必要で、我々凡人向けではありません。
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