<例題>
分数を避けるのに元の問題の短軸の直径1を半径1に改題。
<解答>辺 BC、AO を通る直線を x軸、y軸 とし、楕円の長軸の半径を a(a>1) と
する。
下にある楕円の方程式は、
x2/a2+(y −1)2/12=1・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
上にある楕円の方程式は、
x2/12+{y−(2+a)}2/a2=1 ・・・・・・・・・・・・・・・(2)
2点 A,C の座標を (0、β)、(α、0) とすると、2点 A,C を通る直線の方
程式は、x/α+y/β=1
x=−(α/β)y+α ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
(1)、(3) の接点は、(1)、(3) を連立方程式として解いて求まる。
(3) を (1) に代入、{−(α/β)y+α}2/a2+(y−1)2/12=1
α2{−y+β}2+β2a2(y−1)2=β2a2
(α2+β2)y2−2(α2β+β2)y+α2β2=0
条件より、(1) と (3) が接するから、判別式 D は 0。
0=D/4
=(α2β+β2a)2−(α2+β2)(α2β2)
=(α2+βa)2−(α2+β2)α2
=2α2βa2+β2a4−β2α2a2
=2α2a2+βa4−βα2a2 ∵ β>2+a から、β≠0
=2α2+βa2−βα2 ∵ a>1 から、a≠0
=α2(2−β)+βa2
α2=βa2/(β−2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
∵ β>2+2a から、β−2=2a>2、β−2≠0
(2)、(3) の接点は、(2)、(3) を連立方程式として解いて求まる。
(3) を (2) に代入、 {−(α/β)y+α}2+(y−2−a)2/a2=1
α2a2{−y+β}2+β2{y−(2+a)}2=β2a2
(α2a2+β2)y2−2{α2a2β+(2+a)β2}y
+α2β2a2+4β2+4aβ2=0
(α2a2+β2)y2−2β{α2a2+(2+a)β}y
+β2(α2a2+4+4a)=0
条件より、(2) と (3) が接するから、判別式 D は 0、
0=D/4
=β2{α2a2+(2+a)β}2−(α2a2+β2)β2(α2a2+4+4a)
={α2a2+(2+a)β}2−(α2a2+β2)(α2a2+4+4a) ∵ β≠0
=α4a4+2(2+a)a2α2β+(4+4a+a2)β2
−(α4a4+4α2a+4α2a2)
−(α2β2+4β2+4aβ2)
=2(2+a)α2β+β2−(4α2+4α2a)−α2β2
=2(2+a)α2β+β2−(4α2+4α2a)−α2β2 ∵ a2≠0
=(4β+2aβ−4−4a−β2)α2+β2
={2a(β−2)−(β−2)2}α2+β2
=(β−2){2a−(β−2)}α2+β2 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
(4)、(5) から、
0=(β−2){2a−(β−2)}{βa2/(β−2)}+β2
={2a−(β−2)}{a2}+β ∵ β≠0
=2a3−(β−2)a2+β
=(−a2+1)β+(2a3+2a2)
=−(a−1)(a+1)β+2a2(a+1)
=−(a−1)β+2a2 ∵ a+1≠0
β=2a2/(a−1)
上の式より、dβ/da={4a×(a−1)−2a2×1}/(a−1)2
=(2a2−4a)/(a−1)2
=(a−2){2a/(a−1)2}
{2a/(a−1)2}>0 であるから、上の式より、
1<a<2 のとき、dβ/da<0
2=a のとき、dβ/da=0
2<a のとき、dβ/da>0
∴ a=2 のとき β は最小になり、このとき β=2×22/(2−1)=8
(答) △ABCの高さの最小値は 8、このとき a=2
参 考
0=2a2−βa+β から、
a=[−(−β)+{(−β)2−4×2β}1/2]/4={β+(β2−8β)1/2}/4
上の式が成立する a が存在するには、(β2−8β)≧0
β≧8
β の最小値 8 で、このとき、a={8+(0)1/2}/4=2
それならば、判別式で軽くいけるのでない・・・???
まぁ、OK ではあるが・・・、そんなことを考えられる者はそうそういませ
ん。「これは難しい・・・」と言うよりも、発想に必然性がありません。 こん
な解答は受験参考書にもあり、 何んと、まぁ・・・、この種の問題の定石のよ
うです。これによって、落ちこぼれるのを催促しているような・・・?
β の最小値を求められた問題であるから、2a2−βa+β=0 から、
β=2a2/(a−1) と変形するのが自然で、a={β+(β2−8β)1/2}/4
と変形するのは、通常は浮かばない。「浮かばない奴は頭が悪い」と仰っては大
変に困りますねぇ・・・! これが和算ですか? イエ、イエ、入試問題です。
ならば、和算と入試は同じ穴の狢ですねぇ???
こんな問題に解くには、式の計算にベテランの狡さが要求されます。若者には過
酷な問題です。まぁ・・・、解けなくても恥じることはありません。多分、解析幾
何学で解ける問題の限界に到達しているのでしょう。この問題は複ベクトル方程式
を使わないと・・・??? 使ったとしても・・・、入学試験に登場すれば、京大
か東大に合格出来る程の秀才でないと解けないかも・・・???
複ベクトルを使っても、それ程計算の節約にならないどころか、何と、寧ろ、よ
り長くなる。まぁ・・・、こんなこともあります。
下記ページに変換を使った上手い解答があり、
これが最高です・・・!!!
変換することを知らない者は、数学を知らない者である。
まぁ、急き立てないでねぇ・・・!!!
「これが最高です?」とは言いものの、実は・・・、首を傾げています。これ
は私の理解力の方に問題があって、多分、一の関博物館さんの答えに問題はない
でしょう。そんなハズがありません。
和算には解析幾何学はありませんし、複ベクトル幾何学、これは言うに及びま
せん。しからば・・・、変換、これしかなかったのでしょう。一の関博物館さん
にアフイン変換とありますが、これは相似変換のようです。
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