<例題>∠A が直角の直角三角形で、|BC|=a,|CA|=b,|AB|=c のとき、次式が成
立することを示せ。 a2+b2=c2
<証明>頂点 A から辺 BC に下ろした垂線の足を D とする。
△ABC と △DAC において,
仮定より、∠BAC=∠ADC=90°、∠C は両三角形に共通。
上の式より,△ABC と △DAC は相似である。
同様にして,△ABC と △DBA は相似である。
∴ △ABC∽△DAC∽△DBA
△ABC,△DAC,△DBA の面積を SC,SA,SB とすると,
SA+SB=SC
△ABC∽△DAC∽△DBA より、
SA=ka2 とおくと,SB=kb2,SC=kc2
上の式を SA+SB=SC に代入、
ka2+kb2=kc2
∴ a2+b2=c2
証明を分かり易くするのに、単に図形を動かしただけで、これを「変換」と言え
るかどう問題が無いこともないが・・・、まぁ、変換と受け取って下さい。
この証明は他の証明に比べると,何となく段違いなものを感じますねぇ。それ故
に、落ちこぼれを多数出そうな・・・? 誰がこの証明をしたかを想像すれば、ピ
タゴラスやターレス以前の「賢者」と言われた人の頭に浮かんでいたのではないか
と思われます。皆さん、どう思われますか? 私は「成る程,そうかも」とうなず
けます。幾何学はターレス、ピタゴラス、ユークリットが登場する以前に、実生活
の必要から相当に発達していたようです。
バビロニアで広い地面に直角を描く方法として、実質的にピタゴラスの定理はあ
ったようです。恐らく単なる経験則だけではなかったでしょう。「証明」と大袈裟
なことを言わないにしても「本当かいな、何故そんなことが・・・」と詮索しよう
とする人はいない筈はありません。そんな人の頭に浮かんでいたのはこれではない
だろうか・・・??? こんな推測出来ます。
まさ、これは私の単なる山勘であって、何ら考古学的発掘資料基にした推測では
ありません。
|