<例題>円周上の定点 A を通る直線と円周との交点を P とし、その直線上にもう一点 Q が
あり、AP・AQ=r が成立するとき、点 P はどこにあるか。
<解答>直線 AB を円の直径とし、P1、Q1、P2、Q2 が条件に適する点とすると、
AP1・AQ1=r・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
AP2・AQ2=r・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
(1)、(2) より、
AB・Q1Q2
=AB・(Q1A+AQ2)
=AB・Q1A+AB・AQ2
=(AP1+P1B)・Q1A+(AP2+P2B)・AQ2
=AP1・Q1A+P1B・AQ1+AP2・AQ2+P2B・AQ2
=AP1・Q1A+AP2・AQ2 ∵ P1B⊥AQ1、P2B⊥AQ2
=−AP1・AQ1+AP2・AQ2
=−r+r=0
AB・Q1Q2=0
上の式より、点 Q は AB・AH=k が成立する H を通り、直線 AB と直交する
直線上にある。
<別解>条件より、AP・AQ=r
r=(AB+BP)・AQ
=AB・AQ+BP・AQ
=AB・AQ
dr=d(AB・AQ)
0=AB・d(AQ)
=AB・d(AO+OQ)
=AB・d(OQ)
AB・d(OQ)=0
上の式より、点 Q は AB・AH=k が成立する H を通り、直線 AB と直交する
直線上にある。
こんな解答が理想なんですが、これは高校数学はおろか、大学の数学へ行ても通じ
ないでしょう。ここで使われてある d(AQ)、d(OQ) に割り算を使うならば、敷
居の高い数学「複素関数論」となり、大学の後半、あるいは、大学院の数学になりま
すが、本当は、それ程敷居が高くないのです。講義をしている大学教授連中が消化不
良を起こしているもんだから、敷居が高く見えるだけなんです。
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